グラムスター(Glamster)レビュー、好みの状態に近づける

バイク・カメラギア

本記事ではグラムスターに関連する次の内容を紹介する。ヘルメットのフィッティングサービスを通してみたグラムスター、インカムスピーカー取り付け位置、グラムスター用の薄型31mmチークパット、デザインを殺さないシールドなど、その特徴を紹介。

最初はGT-Air II

バイク免許を取得するときに、はじめて購入したヘルメットは、SHOEIの「GT-Air II(ジーティー – エアー ツー)」だった。専用のインカム、SENAのSRL2を合わせて購入していた。

GT-Air II のメリットは、ツーリング時に駐車した際、いちいちヘルメットからインカムを外さなくて良いことと、サンバイザーが付属し自由に出し入れできること、あごひも(チンストラップ)を楽に止められるラチェットがあることだ。このうち、後者2つはヘルメット重量に大きく影響する。50代ではじめてのヘルメットでこの重たさに気がつかず購入した。そのためか、バイク乗車時の肩こりがハンパない。大阪城の残石めぐりでも200kmを超えたあたりから、首や背中が蓄積された痛みでぐんと痛くなり、休憩を余儀なくなれる。肩をまわそうが首をまわそうが、これがなかなか回復しないのが悩みの種で、長距離ツーリングに出る勇気を削がれていた。そこで、より軽いヘルメットに買い換えた。

グラムスター(Glamster)

同じSHOEIのラインナップで、「グラムスター(Glamster)」というヘルメットがある。2020年9月に発売後、絶大な人気を博し、どこも品切れで手に入らなかったヘルメットだ。これが2023年は在庫があり手に入る。購入時に悩んだのは2点だ。軽いヘルメットといえばもうひとつ、SHOEI「Z-8」がありどちらにするか悩んだ。ベンチレーションなど機能性ではZ-8に軍配が上がる。対するGlamsterは、簡易なヘルメットと言っていい仕組みだそうだ。だが、より軽いものをという発想で買い換えるので、やはりGlamsterにすることにした。あと1点の気がかりはサイズだ。

フィッティングサービスの罠(デメリット)

フィッティングサービスを受けると、自身の頭にぴったりのヘルメットにしてくれる。測定の結果、筆者の場合、Lサイズがジャストという答えだったのだが、ところが試着ではXLがしっくりくる。これは何を意味するかというと、筆者の頭の形が横に広い形なのでXLサイズの方がかぶりやすいということらしい。多少だが。また、Z-8ではLサイズはジャストフィット感があるが、GlamsterのLサイズでは脱いだりするときにどうしても耳が当たり痛みが走る。どうやらGlamsterは同じLサイズでもZ-8に比べると筐体が小さいらしい。

ではなぜ、Glamster購入時のフィッティングサービスではLサイズという答えなのか。これは、頭を図るときに、頭の縦(後頭部から前頭部)・横(頭右側から左側)しか測らず、そのすぐ下の耳のあるあたりや、頬のサイズ感を考慮していないためだ。このため、最初に測定した人の見立てでは、Lサイズとなり、私の場合、痛みを伴うレベルで意味のないフィッティングサービスとなった。(もちろんXLサイズのヘルメットをLサイズとしてフィットするようスポンジを詰めてもらうこともできる)

その原因が明らかになる。もとより小さめの筐体。Lサイズで頭を入れようとすると、耳が折れてそれが痛みに変わっていた。Glamsterの外形寸法の左右幅は、Lサイズが260mm、XLサイズが266mmで、6mmの差があった。一方、重量はXLよりLサイズの方が100g軽い。となると、痛みなしにLサイズをかぶることができれば、安全かつ首や肩が凝りにくいということになる。痛みを軽減するために、次の調整を新たに行った。

インカムのスピーカー取り付け位置の調整

Glamsterのスピーカー取り付け位置
小さいサイズのインカムのスピーカー

Glamsterにはスピーカーが入るスペースが筐体に確保されていない。Glamsterに使用するインカムは、SENAのSF2を購入した。筆者の場合、基本ひとりでのバイク旅が主だが、まれに友人(1人)と旅に行く可能性がある。この通信条件にぴったりなのがこのインカムだ。また、その特徴のひとつに、SF2にはスピーカーが大小2種付属している(SF2のHDパックを買う必要がある)。これを直系がより小さく薄型のスピーカーにし、さらにスピーカーの位置を、チークパッドにかかるくらい少し下げたかたちで設置した。耳の位置が関係するのか、こちらの方がどちらかというとフィットした。

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SENAのSF2

また、インカム本体をU字のクランプではなく、付属の両面テープを使用しヘルメットに取り付けた。これにより、ヘルメットをかぶる際に耳の通るスペースに、ほんの数mmだがクランプ分の余裕ができた。だがまだ少しひっかかる。

Glamsterのチークパッドを31mmに交換

さらに調整を行う。私の場合、あごひもの付け根がヘルメットの脱着時に耳に当たり痛みが出やすいため、そこに干渉するGlamsterのチークパッドをデフォルトの35mmから、31mm厚の薄いタイプに交換した。

Glamsterのチークパッド31mm

35mm厚がキツいと思う人は多いらしい。交換することで窮屈さが緩和された。さらに、チークパッドの耳が当たる部分の内部スポンジを、ほんの一部分カッターで削り、さらに数mmの余裕を生み出した。これでストレス無くGlamsterを使うことができそうだ。このサイズ調整はあくまで私個人の場合であって、個々に異なるため、あくまで参考レベルということで。

Glamsterのデザインを殺さないシールドは筐体が透けてみえるタイプがいい

ヘルメットのシールドはクリア(透明)のまま乗ろうと思っていたが、あまりに太陽が眩しい。GT-Air II のようにサンバイザーで調整できれば良いのだが、そうはいかない。日中の疲れを少しでも軽減したいので、一番薄いスモークである「メロースモーク」に変更した。メロースモークは夜でも見にくいということはないまったくない(個人的には)。また、ミラータイプにするかも迷ったが、ミラータイプは表面を拭くときに気を遣ったりとお手入れが簡単ではないらしい。そしてなによりも、ミラーにするとGlamster特有のデザインが殺されてしまうので、多少透けるメロースモークを選択したという訳だ。

Glamsterのシールド「メロースモーク」

ここで気になったシールドがあった。Z-8では「フォトクロミックシールド」という商品が発売されている。これは紫外線が当たることによって発色するため、シールドが昼間の明るいところでは発色して暗くなり、逆に夜間など暗いところでは明るくなる調光シールドだ。なんともありがたいシールドだが、デメリットは2年も使えば機能しなくなることと、お値段が高いことだ。念のため調べてみた。これのGlamster用があれば良いのだが、残念ながら純正では現在のところ出ていない。ところが2023年8月に、Glamster用フォトクロミックシールドの中華製品を見つけた。お値段は純正のほぼ半値といったところだろうか。そちらをGETするかかなり悩んだが、メロースモークが気に入ってしまったため、しばらくはこれでいく。

「GT-Air II」から「Glamster」どのくらい軽くなったのか

ヘルメットを変更した重量の変化を見ておこう。筆者の場合、GT-Air IIのXLサイズは1,860g、GlamsterのLサイズは1,470g となり、390g軽くなった。これはインカムを付けたままの重量。また、ヘルメットの塗装によっても差が生じるので、それらを差し引いたざっくりとした感覚で見てほしい(メーカーサイト記載の重量はGT-Air IIのXLは1,630g、GlamsterのLは1,308g)。

Glamsterのデメリット

2ヶ月ほど使用して満足しているが、1点だけ不満点がある。ヘルメットの顎の部分に、ベンチレーション用の網がある。高速道路を走行中に前のトラックがはねた小石が飛んできて、なんとその網目にすっぽり入りこんでしまった。かなり小さな石らしく、これがヘルメットの中で「カタカタ」と小石が揺れる音が聞こえてやまないのだ。スピードを出していない時は、その小石が揺れず音はないが、80kmも出せば、カタカタと音がするという始末。なんとか出そうと奮闘して最近はやっと音が止んだ。そんなあほな的な現象だが、その他は、Glamsterにまったく不満はない。

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