大天守4階
3階から4階に上がってまず思うのは、窓の位置が高すぎて外が見えないことだ。せっかく登ったのだから良い風景を期待したいが、この階では残念ながらまだその思いは満たされない。
城の仕掛けでいうと、守り手にとって外の敵が見えないのは超不安。これを補うために、石打棚が作られた。3階は、南北の二面に設けられていたが、ここ4階は、東西南北の四面に、石打棚(階段付きの高台)が設けられている。また、この4階と5階は、内陣・武者走りの区別がなくなりひとつの広間となる。
写真(下)は、石打棚の全景。石打棚は、その昔、台に用具掛けのL字型の金具が並んでついていたそうだ。余談だが、筆者が幼少の頃は、この石打棚の上に自由に登ることができ、登っては降りてと遊んでいた記憶がある(筆者は兵庫県の出身)。写真では撮影のため柵を取ってもらっているが、普段は柵があって上には登れない。石打棚の下に扉がひとつあるが、これは「内室(いりむろ)」と呼ばれる小さな部屋で、倉庫とか武者隠しとして使用した。
千鳥破風内の床
千鳥破風の内部。床板に注目してほしい。手前が新しい材で千鳥破風内部が古い材だ。どうやら当時のものらしい。石打棚上の窓の上には高窓が設けられている。また、写真上にあるL字型の金具は用具掛けだろう。
4階北西の千鳥破風内には、2階南西千鳥破風同様に屋根へ出られる開き窓がある。
(文・写真:岡 泰行)