馬屋 彦根城の見どころ
佐和口の桝形を抜けると、左手に見えてくるのが馬屋の建物だ。ここは藩主の馬などを管理していた建物で、現在21頭分の収容施設が残っている。現在伝わる国内の城郭跡で、これほどの規模のものが残っている例は彦根城を除いてほとんどない。元禄時代(1688〜1703)に建てられ、明和年間(1764〜1771年)には火災に遭い、瓦葺きで再建されたという。1973(昭和48)年の解体修理の際、もとのこけら葺きが再現された。国指定重要文化財。
馬屋の内観。建物は全長62mでL字型。21もの馬の部屋がある。室内の温度変化を抑えるため、(竿縁)天井が設置されている。
上部にはU字型の部材「猿耳」を設けて腰掛けを固定していた。
手綱を通す金具が上下2段に設け、馬を繋いでいた。
床は排泄物の処理がしやすいよう、開閉できる穴が設置されている。
(文=mario 写真=岡 泰行)