城の遠景撮影スポットを探す方法
城の撮影は、定番アングルはもちろんだが、望遠レンズを持って行くと、城を愛でる楽しみが広がる。かわりに荷物は増えるのだが…。
遠景撮影スポットは、基本、足を運んで探すしかないが、多少のコツがある。まず高層階のビルからの撮影を狙う。アングルが得やすく、また城に隣接していれば見下ろす形となり、近世の平城になるほど、城郭全体が実に見渡しやすい。
探し方は簡単で、まずはマップを見て付近に自治体のビルがないか、あれば展望フロアがないかを探す。明治以降の城の歴史から、自治体ビルが城に隣接していることも多く、展望フロアが設置されていると足を運ぶと良い。付近に自治体ビルが無い場合は、眺望が得られそうな高層階のビルや山を探す。探し方でもっともシンプルな方法が、天守に登り、まわりの風景を見渡して、高層階のビジネスホテルを探すことだ。天守からホテルが見えるということは、その逆もしかりで、向こうからも天守が見える。電線が邪魔していないかもこの時に確認しておくといった具合だ。
事前に宿泊するホテルを決めたい場合は、そのホテルサイトに、高層階から撮影した写真が掲載されていたりと分かりやすいケースもある。筆者は事前に根掘り葉掘り話を聞くのだが、最も感動したのが、山陽地方のとあるお城が見下ろせるビジネスホテルで、窓を開ける時別な鍵を部屋まで持ってきてくださった。こういった個々の要望を満たしてくれるホテルは、むしろまれで、大抵は、部屋の指定もできないので過度の期待は禁物だ。どことは言わないがもっとひどいケースも。そのほか、現地のタクシーで郷土愛の強い運転手さんだと「あそこの歩道橋からの眺めが良いよ」とか教えてくれるケースもある。
ここ最近の写真プラスα
最近では、2017年3月にオープンした「高知城歴史博物館」の展望ロビーが有名だ。博物館のオープンにあたり、より眺望を良くするため、高知城の木々も剪定されている。また、展望ロビーではなく、2階の喫茶店のテラスから望むと、山内一豊の銅像と追手門と天守の3セットを1枚に収められる初の眺望もある。
掛川城は、4ホテルからの眺望が得られるがそのひとつ。建築の撮影は正面が美しい。日の出とともに、ホテルの客室からの撮影は、もそっと起きてパシャッと撮影、すぐさま二度寝、この楽城感も(違)。久しぶりに訪れると移築櫓の武器庫が、解体されて無くなっていた。掛川城付近のホテルからの眺望は掛川城ページでご参照を。
「一富士二鷹三茄子」。家康説をとって、駿府城で富士山ってのが縁起が良いかと思ったが、あんまし目立たない(汗)。せめて富士山に雪が残る季節に再訪か。アングルは、駿府城に隣接する静岡県庁別館の21階には展望ロビーから。
小田原城の朝。雲の切れ目から一瞬だけチャンスが訪れた。ふと足下を見ると犬のフンを思いっきり踏んでいた(涙)。撮影に夢中になるとこうなる。日中、タクシーに乗って「小峰の堀切へ」とお願いするも通じず、道を説明するのにひと苦労。アングルは、八幡山古郭から。朝日が天守の背後に昇る時期は、おおよそ11月〜1月だ。
(文・写真=岡 泰行)