大阪城南外濠のすぐ南側に位置する「KKRホテル大阪」、上階から大阪城の城郭全体を見おろすことができる。大阪城の遠景は、南西に位置する大阪歴史博物館上階からの眺望も有名だが、KKRホテル大阪の眺望も、真南だけあって、天守閣の大破風がある南側の造形美を正面から望め、なによりも石垣が本丸に向かって連なる、実に城郭らしい姿を観ることができる。城の眺望の良さでいえば、ホテルでは名古屋城を望む「ホテル ナゴヤキャッスル」、福山城を望む「キャッスルイン福山」と肩を並べる迫力だ。
上写真を解説しておくと、眼前の堀が南外堀で、手前の石垣は主に62号壁、60号壁、58号壁の隅が見えている。写真中段には桜門が見え、本丸南面石垣、そして奥に天守の小天守台、天守台が見える。
KKRホテル大阪の客室は7階〜11階。12階には天空レストランがあり、その姿をパノラマで見ながら食事ができる。また、客室からの眺望も額縁に切り取られた絶妙の風景で、筆者は過去に日帰りできる圏内に住んでいるにも関わらず、その眺望目当てにわざわざ何度か泊まったことがある。泊まるならできるだけ上階の10階〜11階の客室が良い。当時は上階にサザンクロスというBarがあり、カウンター越しにロックグラスを傾けながら大阪城の夜景が愉しめたのを覚えている。
KKRホテル大阪は、その立地から、2019年のG20大阪サミットの時も、各国首脳が集まった大阪城西の丸庭園を眼下に見ることができるため、狙撃ポイントになり得るとのことで、警察が事前に調査に訪れたほどだ。それほどよく見える。
さて今回は、特別な許可を得て14階から撮影させてもらった。KKRホテル大阪の14階には、披露宴会場がある。ここからワイドに切り取られたその風景も抜群なのだが、より天守の正面に近い、同階にある女子トイレからの撮影が許された。このトイレは城側が広いガラス窓になってなっており、東西のその領域をほぼ中央から眼下に収めることができる。トイレで窓を広くとるかたちは、ちょうど広島城を望む「リーガロイヤルホテル広島」の上階にある男子トイレと同じだ。
建物では、一番櫓、六番櫓、大手口多聞櫓、千貫櫓、大阪城天守閣が見える。このパノラマ写真は分割撮影を行ったため、元データはゆうに1億万画素を超える。大阪でお商売されてる社長様、文化の継承と芸術家の援助に御社エントランスの壁面に、この写真はいかがでしょうか。
披露宴会場からは、南側にある難波宮も眼下に収めることができる。つまり披露宴会場は、南北両側に広大な窓があり、大阪を代表する歴史景観を贅沢に2つ見ることができる。
客室からの眺め。窓の額縁から見る美しさもまた良い。2枚目は客室から撮影した大阪城のライトアップ。
開放されている5階テラス
前述の通り14階は、披露宴に参加しない限り足を踏み入れることはできない。そこで、KKRホテル大阪でもう一箇所、展望スペースを開放している場所がある。それが5階テラスで、ここからも大阪城の持つ迫力を感じることができる。
5階テラスは9時〜17時に開放されている。テラスにはチャペルがあり使用していない時に限られるので、フロントに一声かけてからどうぞ。大阪市の『大坂城豊臣石垣公開プロジェクト』では、5階テラスからの写真を紹介しているので、合わせてご参照を。
- 大阪城の撮影スポット 真南からの眺望(5階テラスの眺望)
- KKRホテル大阪
今回の撮影に際しKKRホテル大阪に大変お世話になりました。記して御礼申し上げます。
(文・写真=岡 泰行)