大阪城本丸の変化と新たに置かれた石
大阪城本丸では、2024年12月から徐々に景観が変化しつつある。その中心となるのは、2025年4月に開館予定の『大阪城 豊臣石垣館』だ。公開施設の準備が進むにつれ、その工事用事務所が撤去され、金蔵の周囲がすっきりと見渡せるようになったのは、歴史好きにとっては嬉しい変化だ。
新しく現れた小さな見どころの一つが、本丸にある「手水鉢」。『豊臣石垣コラム Vol.52』でも紹介されていたこの手水鉢が、視界を遮るものなく確認できるようになった。そして、興味深いのはその左手に置かれたひとつの石。以前には見られなかった石で、上から見ると「本多日向○ 藤原助○」と刻まれている。詳細は不明だが、聞くところによると大阪城の外堀からと出所が異なるようだ。
「有孚」と刻まれた手水鉢。
新たに置かれた石。「本多日向○ 藤原助○」と文字が刻まれている。外堀にあったものとされている。
久しぶりに見られるようになった金蔵の周囲。地面が下がっているのは徳川期本丸の地表面。要するに公園化された現在の地表面は、徳川期より20cmほど高く盛土されている。
(写真・文=岡 泰行)