立雲峡から望む竹田城の雲海

立雲峡から捉える竹田城雲海

立雲峡へのアクセス

立雲峡マップ竹田城から直線距離で約2.2km、向かいの山にある立雲峡(りつうんきょう)から、その風景をひと目見ようと訪れる人が多い。ここは言うなれば斜面に木々が茂りその合間に散策道が広がる自然公園。奈良時代から山陰随一の桜の名所として知られ、主にヤマザクラが群生している。竹田城最後の城主、赤松広秀が、城から観賞するために植えたと伝わる「赤松ザクラ」もあるから歴史的に竹田城とそうそう無縁でもない。場所は、ちょうど竹田城と円山川を挟んで東側の朝来山中腹に位置する(Googleマップ参照)。

立雲峡駐車場とトイレ

立雲峡の水洗トイレ桜まつりの時期のみ有料だが、普段は24時間無料開放されている。およそ50台の駐車スペースがあり、「園内のイラストマップ看板」、「下山後の足の洗い場」、「自動販売機」、2016年度から新しくなったウォシュレット付きの「水洗トイレ」(もちろん便座も温かい)が設置されている。竹田城ブーム到来前は余裕で駐められたこの駐車場も、雲海シーズンは、年々、満車になる時間帯が早まり、2016年度では平日で午前3〜4時、休日で午前0〜1時で札止めになる。今後、この時間はさらに早くなるだろう。この駐車場に駐めずに麓から徒歩で登ることもできるが(駐車場は中腹にある)、かなりの距離になるので、できれば立雲峡の駐車場に駐めたい。
立雲峡駐車場

立雲峡の展望台へ

立雲峡の登山道入口展望台といっても、そういう建築物がある訳ではなく、展望スペースが整備されている。標高の高い順に「第一展望台」、「第二展望台」、「第三展望台」とあり、駐車場から自然公園内の山道を徒歩で登る。所要時間を見ても分かるが、第二、第三は比較的楽にいける距離感だが、第一展望台は、駐車場から徒歩約40分とかなり歩かなければならない。おまけに勾配もきつくなる。写真は駐車場奥にある登山口。ここから先はトイレが無いのでしっかり済ませておこう。なお、入山には環境整備協力金300円が必要だ。

  • 立雲峡テラス:約340人のスペース・駐車場から徒歩約50分(第二から徒歩約40分)
  • 第一展望台:約30人のスペース・駐車場から徒歩約40分(第二から徒歩約25分)
  • 第二展望台:約20人のスペース・駐車場から徒歩約15分(第三から徒歩約10分)
  • 第三展望台:約10人のスペース・駐車場から徒歩約5分

2016年から、第一展望台、第二展望台は、ひな壇が設けられ、より多くの人が雲海を望めるようになった。写真(下)は第一展望台。最前列の一段目に三脚を並べた人がいても、二段目からも一段目とほぼ同じ眺望が得られる高さに設計されている。ちなみに二段目の方が、一段目より竹田城と眼下の立雲峡の木々との間隔を広く保つことができ、雲海の面積を上下により広くとることができる。また、2021年10月、高所にある第一展望台よりさらに高い場所に「立雲峡テラス」が新たに整備された。従来の第一展望台などと同様に段差(8段)が設けられている。広さは約320m²で約340人を収容できる。

立雲峡の第一展望台

立雲峡の第一展望台からの眺め
夜明け前に登るなら、竹田城と同じく街灯などは一切無いので、足下を照らす懐中電灯が必要だ。また前日に広大な公園内を散策し、竹田城が望める木々の切れ目がどこかにあるかなどの事前チェックをすれば、なお面白いだろう。第一展望台まで案内板を頼りに登ることができるが、第二から第一への道のりで、分岐があって分かりずらいところもある。公園内で迷ってしまうかもしれないので、駐車場にあるイラストマップの看板に頭にたたき込むか、明るくなってから登ると良い。

撮影レンズは何ミリが良いか

第一展望台が最も高所で竹田城を見下ろすかたちになり眺望が良い。その分、竹田城から離れるかたちとなるので、より望遠が必要になる。ちなみにスマートフォンでの撮影だと、第三展望台や第二展望台がアングルが最も良い距離感だ。

第一展望台からの眺め

レンズ焦点距離24mm

参考までに広角レンズだとこうなる(下写真)。中央の小さい島のようなところが竹田城。手元の木々は立雲峡のもの。パノラマアングルにするか、もう少しアングルを上げて夜空をメインに捉えても面白いだろう。
立雲峡からレンズ焦点距離24mmで捉えた竹田城

レンズ焦点距離140mm

竹田城背後の山、大倉部山や大路山を借景にした構図。写真は日の出直後で、雲海が色づきその抑揚が出ている。太陽は立雲峡の背後から登るため、方角的に太陽を直接捉えることはできない。朝焼けや太陽の撮影なら逆の藤和峠からが良い。
立雲峡から望む竹田城の雲海

レンズ焦点距離170mm

竹田城跡そのものをアップに捉えようとすると170mmほどのレンズが必要になる。先の写真と見比べると分かるが、竹田城と背後の大路山との間に大量に雲海があるときに城跡をアップにすると、雲の海に浮かぶイメージがより強調される。
立雲峡から望む竹田城の雲海

レンズ焦点距離360mm

雲海が一部を覆っている様を撮影するなら、400mmほどの望遠があればなお面白い。写真は竹田城の天守台と二の丸。北千畳と南千畳が雲海の下でアングルから外れている。
立雲峡からレンズ焦点距離360mm

第二展望台からの眺め

レンズ焦点距離100mm

こちらも2016年から少し場所を変え2段のひな壇が設けられた。雲海のボリュームが少ないときなど、第二展望台からが、ちょうど良いボリュームに見えるかもしれない。スマートフォンでの撮影には、ほど良い距離感になる。この高さからだと竹田城の背後には雲海が見えない。
立雲峡第二展望台からの竹田城の眺め

第三展望台からの眺め

レンズ焦点距離100mm

背後の山との位置関係で、第一展望台が低いことが分かる。船にように浮かぶイメージが先行しすぎて第一展望台からの写真ばかり目にするが、こちらの方が城の高さが感じられて良いという見方もある。こちらもスマートフォンでの撮影に、ほど良い距離感だ。
立雲峡の第三展望台からの眺め

(文・写真:岡 泰行)

竹田城の雲海を美しく捉える主な写真3アングル「竹田城天守台」、「立雲峡(りつうんきょう)」、「藤和峠(ふじわとうげ)」と雲海の発生条件も合わせてチェック。

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